精心道オフィシャル・ニュースレター
「ピュア・ハート、シンプル・マインド」
Pure Heart, Simple Mind ®
第1巻、第15号 ; 2003年8月1日
『何か普通じゃないことが起こっている』
Something extraordinary is taking place
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【今号の内容】
1. スタート・ライン 2. 何か普通じゃないことが起こっている
3. プラクティス「ハートビート・ブリージング」
4. 関連リンク
5. おすすめ書籍・CD
6. エンド・ノート
7. 著作権、登録と解除
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1. スタート・ライン
私はいまアメリカで、妻と娘それに友人とその子ども2人といっしょに9日間の休暇を過ごしている。異なる文化を観察するのはいつも興味深いものだが、アメリカにいる間に私が注目したことを少し書いてみよう。
1. 多くのレストランでアメリカン・サイズの料理一人前を出されると、日本の人たちは圧倒されて食欲をなくしてしまいがちだ。
2. 現地の日本食レストランの経営者が日本人ではないことが分かるのは多くの人にとって軽いショックだ。アメリカの日本食レストランはしばしば韓国か中国の人が経営している。もちろん日本人経営者も多いのだが。
3. コストコ [会員制大型ディスカウント店] での買い物は中毒になる。最近コストコは日本の幕張にも店を出したが、私は会員になるのが怖い。
4. デパートで商品のことをきちんと知っている店員を見つけるのは至難のわざで、フラストレーションだけが残る。
5. 企業に電話したときの自動応答システムはますます馬鹿げたものになっている。話したい人物にたどりつくまで10分以上待たされたことが私は2度もある。
6. アメリカは素晴らしい肉体美の国だ。
7. 接客業の従業員はますます、片言の分かりにくい英語を話すようになっている。
もし読者のあなたがアメリカ以外の国の生まれか、またはアメリカを長く離れていた人なら、アメリカを訪れたときに注目したことをメールしてほしい。以後のニュースレターで紹介しよう。
アメリカ各都市で開催している一連の精心道ヒューマン・ポテンシャル・ワークショップの中で、魂を揺さぶるセッションを進めることができるのを光栄に思う。身体に備わった知性、精神と身体の調和、様々なマインドフルネス・プラクティスを学ぶために人々は私たちのワークショップに参加する。あるいは長年悩まされている心や身体の症状にとりくむためにやって来る。不可能に見えるがそれでも強く変えたいと望んでいる変化をやり遂げる私たち誰もがもつ能力に、私は魅了され続けている。
先月のワークショップでは一度のみならず、人々はその一歩を踏み出し何年も苦闘してきた問題に向き合うことになった。その度に、他のメンバーの心からのサポートと敬意とを伴って、参加者は統一のとれた心身を体現した状態に入ってゆき、根本的で永続的な変化を作り出した。
個人が問題に取り組むときにそういった深い変化が可能となるには、とくに重要だと思われるキー・ポイントが存在する。そのいくつかをここに挙げよう。これはただ単にワークショップだけでなく、あなたが充実した日常生活をおくる上でも同じように重要なポイントだと思う。
I. 敬意をもって人を支援するコミュニティの力
確かに自分ひとりでも意味深い人生の変化を迎えることはできるが、敬意をもって人を支援するグループに加われば、変化を強く望む人たちを援助する上で比べものにならないくらい大きな役割を果たすことができる。
1. 信頼と落ち着きと安心感のある生き生きとしたコミュニティを築く。これには少々時間がかかる。もし安心感とサポート感がもてなければ、人々は自分の大切な問題点をオープンにすることはない。
2. 支援力のあるコミュニティは、各人が出すエネルギーを吸収し受け止めるクルーシブル(錬金炉)として機能する。コミュニティの共有するスペースが各人がもつ痛み、苦しみ、喜びを迎え入れれば入れるほど、人々はよりシリアスな問題と取り組みやすくなる。
3. 重要なセッションのとき、卒業式や結婚式などの他の通過儀礼と同様にメンバーはあたかも証人のようにその場に立ち会う。
4. 誤解や見当違いの反応を恐れて、自分の問題をひとりの人だけに言うのを嫌う人をもコミュニティはサポートすることができる。
5. いろいろな問題を誰かが理解するのを助けるために、コミュニティはサウンディング・ボード(反響板)として機能する。
6. 特定の問題を公表することは大きなリスクだと思っている人に対してコミュニティは支援に満ちた安心感を提供できる。
いろんな魂の暗闇が浮かび上がるように個人を援助するためにコミュニティの支援は欠かせない。
7. 自分ひとりでは直面できない困難な領域を通り抜けるとき、グループからの明確なサポートが背中を押してくれる。
最近のワークショップでも何度か参加者たちは自発的に仲間を力強く後押し、支援される人はそのプロセスに乗って進むことができた。
8. 個人が取り組んでいる重要な課題は、いつも常にコミュニティの数多くのメンバーと共有される。当人は通常これによって肩の荷をおろしたような解放感が得られる。コミュニティ全体は、どんな個人の希望と怖れであってもグループのメンバーと共有する。
多くのメンバーの声でよく耳にするのは、自分以外の人が課題に取り組んでいるのをサポートし、それを見ていることはとんでもないほど受け取る価値があるというものだ。また、誰かがセッションを終えたときに見ていた1人か2人の参加者が近づいてきて、自分も長年同じ問題に取り組みたいとずっと思ってきたが、ただそうするだけの勇気がなかったと話すことも多い。そんなふうに体験したことをメンバーどうしで共有する様子は感動的である。
9. 短期または長期間の友人関係が形づくられ、しばしば初めのワークショップが完了した後でもコミュニティのメンバーは互いに支援と励ましを続けている。
10. 支援力のあるコミュニティは充分に機能する家族体と言える。このコミュニティは数多くの個人にとって初めて所属する機会が与えられた機能する家族体だ。思いやりをもって助け合うグループの一員となることで、自分以外の人と体験を分かち合うことがほんとうに自分の滋養になることを多くの人がコミュニティから学ぶ。
II. トラウマと悲劇から生まれる美
悲劇、心的外傷、嗜癖行動、重度の外傷、その他過酷な状況は、それらの困難がもしなければ決して起こりえない方法で、自己の成長を促す際に主要な役割を果たす。
多くの人がその生涯で「ひどい贈り物」を受け取ることがどれほどあるかはスティーブン・ギリガン(Stephen Gilligan)がしばしば語るところだ。初めに何か「ひどいこと」が起こり、そして変容の旅が始まる。それはひどい出来事や人との関係を、私たちの魂にとって大切な「贈り物」へと変換する旅なのだ。トラウマを乗り越えてそれを贈り物へと転化する例には、薬物依存者が他の依存で苦しむ人たちのカウンセラーに、暴行で子どもを失った親が地域平和の唱道者に、レイプの被害者が合氣道の指導者になることに見られるだろう。機能不全に陥った家庭で育った人が、自分は絶対に同じような家庭は築くまいと努力する姿もよく目にする。
通常、精心道ワークショップが始まるとき私たちは、他の人たちの苦境をどのようにケアし、丁寧に感じとり、サポートするかを充分に話し合う。また私たちは同時に、困難な状況を耐えてこなければならなかった人を気の毒に思うことはしない。
変えたいまたは回復したいと思うが不可能に見える状況を人々が語るとき、ワークショップは慎重に進められなければならない。誰かをかわいそうとか気の毒に感じることは、当人を被害者という“ただ1つの”役割に縛り付けてしまいがちだからだ。
他方、丁寧に誰かのサポートにあたるとき、私たちが感情的バランスと求知心と解決を指向する姿勢を保つことができれば、自分用の隠れた贈り物を探し始められるように人々を援助することが可能となる。
自分の贈り物を探究するプロセスでは、被害者になれるのと同様に自分が勝者になれる機会もあることがあらわになる。痛みと苦悩をかかえる人に対して私たちが提供できるもので、これはもっとも人を解放する満ち足りた経験である。
個人の痛みと苦悩を、重要な変化を起こし私たちが生きるコミュニティとの関わりを取り戻してゆくための燃料へと変容転化してゆく機会は、受け取るに値する素晴らしい贈り物だ。
ワークショップの中でひとりの参加者が、変化のプロセスの出だしでもがいている時、通常私はメンバーをまわりに集めてこんなふうに言う。「大きく呼吸してください。自分のハートをそっと抱えます。深い癒しが始まりつつあります。あなたは人生の変容プロセスの中に役割をもって加わっています。喜びの気持ちと感謝の念をもってこの癒しのプロセスをサポートしてください。今この時をフルに生きられるように過去の困難な経験をどう利用するかを学んでいる人に、立ち会う気持ちでいてください」
過去の出来事をふり返って、変容のプロセスを目のあたりにしながら「何かとても普通じゃないことがここで起こっている!」と心から言えるときにのみ、私たちはトラウマや悲惨な出来事を変容させることができる。
そんなとき私たちはとてつもなく多量の抱え込まれていたエネルギーを解き放つ。このエネルギーは創造的で、人生を満たす目的のために利用できるようになる。
様々なやり方で、人生をひとりで歩いているのではなく、自分たちには痛みと苦悩を、恩恵、知恵、賛賞へと変換する可能性があるのだと私たち誰もが知る必要がある。
これからもいろんな場所で、
私は多くの方と出会えることを願っている。
きっと、あなたの旅の途上でも。
3. プラクティス「ハートビート・ブリージング」
"Heartbeat Breathing"
前にも書いたように、精心道プラクティスは何度でも繰り返し行うためにある。それが経験から感じるとる能力を深めることになるからだ。また、最近の多くの新しい読者はプラクティスをよく知らないかもしれない。したがって今回もう一度「ハートビート・ブリージング」をとりあげよう。シンプルでありながらも深い体験となるプラクティスである。
「ハートビート・ブリージング」
http://www.somatics.de/
精神分析医、ソマティック・セラピストであるロバート・シュライプ(Robert Schleip)のサイト。
1978年にロルフィング(Rolfing)を学び始め、ドイツで始めてのロルフィング有資格者となる。また1987年にはフェルデンクライス・メソッド(Feldenkrais)の資格も修得。著書も数多くあり、またミュンヘンにソマティック・アカデミーを設立するなど専門家教育でも成果を上げ、世界的に有名なソマティック・セラピストたちを輩出している。彼のサイトはその豊富な情報源で多くの専門家に知られている。
ソマティック・コミュニティを豊かにしてくれる、リソースに満ちた素晴らしいウェブサイトを築いた彼に、個人的にも私は感謝しています。
Book: "Therapeutic Trance" by Stephen Gilligan
エリクソン催眠の理論と実践について深く掘り下げるならこの本は必読。スティーブン・ギリガンは世界でもっともよく知られたエリクソン催眠の療法士である。魅力的な主題に富んだこの本から素晴らしい洞察が得られるだろう。これは決して手引き書ではない。思考、感覚、そして心の内と外で起こることに対する反応を通じて、より深い人間理解に役立つ一冊である。
CD: "Come Away With Me" Nora Jones
日本を発ってアメリカに到着してから、音楽に関して会話した最初の3人ともが、ノラ・ジョーンズをもう聞いたか? と言って来た。ノラは、リリカルでソウルフルで遊び心と優しさに満ちた新鋭のアーティストだ。
● 読者からのコメント:
チャーリーさん、前号の「子ども時代の夢」はいいテーマでしたね。それで私はビジネスの世界でも「大人時代の夢」とでも呼べる同じような経験があるんじゃないかと思いました。私は素晴らしい子ども時代を過ごしましたが、依然としてビジネスの世界では壁に衝突しています。組織の中で共に働く人々、企業幹部でさえ、各人がもつ多様な才能を活かそうとはせず、いったん誰かが‘このやり方’でいくべきだと決定したなら、他の考えは一切受け付けられなくなってしまう(どれほど反対が激しかろうと)。開かれたコミュニケーションと改革を呼び掛けてみたものの、体験から身につけたに違いない根底にある不信感が行動を妨げてしまうのです。
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その通り。あまりにも頻繁に、企業の管理方式では従業員の希望を蹴落とす傾向がある。ほんとうに恥ずべきことだと思う。そして多くの人の人生の質が、そういった体験から学んだことに左右されてしまう。それでも組織の中で状況を変えようとしている多くの有能な人々がいることを知るのは喜ばしい。少しずつではあるが、理解のある人たちは大きな変化を起こしつつあります。
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