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精心道オフィシャル・ニュースレター
「ピュア・ハート、シンプル・マインド」
Pure Heart, Simple Mind
®

第1巻, 第17号; 2003年9月1日

『グループ・マインド、改革、創造性』
Group Mind, Innovation, and Creativity

このニュースレターは、思いやりと明快さをもって創造的に生きようとする人たちに向けて配信しています。新たに登録された方々に感謝します。
seishindo@seishindo.org





【今号の内容】
1. スタート・ライン
2. グループ・マインド、改革、創造性
3. プラクティス :「どちらが自然? それとも不自然?」
4. 関連リンク
5. おすすめ書籍・CD
6. エンド・ノート
7. 著作権




1. スタートライン

 この夏、私はアメリカで休暇を過ごした。妻と娘とそれに、2人の子どもがいる日本人一家もいっしょだった。子どもたち3人の英語力は甘くみたってうまいとは言えない。

 滞在していた大きなホテルにある人工ビーチつきのプールでは、中国、ドイツ、スペイン、フランスなどいろんな国の子どもたちが遊んでいた。それはあたかも皆で重奏曲を奏でているような光景で、共通言語がなくてもいっしょに遊ぶ彼らの姿はなかなか美しい眺めだった。

 小さな子どもたちは最初、仔犬どうしが匂いを確認しあうのとたいして変わらず、他の子を気にしつつも自分のオモチャだけで遊んでいたが、全員のオモチャを持ち寄ったなら格段に面白いことに次第に気づきだした。いったいどんなふうにしてそのアイデアを伝えあったのか見当もつかないけれど、子どもたちはすぐに互いに自由にオモチャを差し出しあって、プールに持ってゆき、自分が見たことのないものをあれこれ試しだした。

 彼らが自発的に自分たちの環境を作りだそうとしたときが、このコミュニティ構築の創造的なプロセスの次なる段階となった。子どもたちは私のことを、嵐のために浜辺に打ち上げられてしまったクジラだと決めると、大海すなわちプールへと返してやらなきゃいけないと言いだしたのだ。こうした作業をやり遂げるにはたいてい‘人力を超えた何か’が必要とされる。彼らがとった方法は、ちょうど古代エジプトのピラミッドを築くために大きな石を運ぶときのやり方に似ていた。

 子どもたちは遊びながら創造するのが大好きで、巨大な障害物を動かすことだってできる。彼らはどうしてこんなにも自然に創造的になれるんだろう? しかしここで、ほんとうに私が提起したいのは、子どもたちと同様の素質、すなわち探究心や未知に向かって自ら進んでゆく力、そして逆境を克服する情熱などが、多くの大人たちには消え失せたように見えるのはなぜなのか? という問いである。子どもたちが自然にやっていることをまねて、大人たちはなぜ協力しあうシステムを発展させないのだろう? 子どもグールプの遊びから外交官が学べることがたくさんあるというのに。

 生命のすべての行ないは創造的である。創造性は、特定の人々に与えられた素質や才能ではなく、また理論や苦闘を必要とする行為でもない。創造性はすべての生命ある組織に内在している。思考と思考を、そして個人と個人をつなぐ接着剤として、創造性は欠かせない。創造性は、組織のグループ・マインド(共通精神)‘について考える’ことの中にあるのではなく、それは森の中に、拡散する都市開発の中に、あるいは突然リゾート・ホテルに放り込まれた子どもたちの中にこそ内在しているのだ。

 実際、人はサルから進化したのなら、この進化という創造的行為は、高い料金をとるサルのコンサルタント業者が進行役をつとめるブレイン・ストーミングを数かぎりなく重ねた後に実行されたわけではないことは明らかである。
 きっとサル自身は、進化よりもサルのままでいることの方を好んだのではないだろうか。だとすれば、人間は現在の自分たちのままでいることを望んでいるといえないだろうか?


2. グループ・マインド、創造性、改革

 自分の家族、クラスメートや同僚、または所属するPTAなど、どんなグループや組織であれ、その中で創造性が自然に生じるような環境作りに役立つ枠組みを以下に示そう。もちろん、自分自身のためにこの枠組みを用いることも可能だ。どこであれ誰であれ、実際いくらかの創造性を必要としているのだから。

 じつはこの創造性のモデルに関するアイデアの大部分を得たのは、子どもたちに海へと押して運ばれている最中のことだったので、少々彼らに対してうしろめたい。大人げないことをする‘ずるい奴だ’なんて言わないで!

1) 創造的な会話のための時間とスペースを設ける

 創造的であろうとするとき「じゅうぶんな時間がある」という感覚は助けになる。急がなくていいようにブレイン・ストーミングを開くたびに余裕のある時間を設けること。また、自分たちが特別な状況設定の中にいるという感覚も大切だ。ごく普段の日常生活の影響がおよばないある種独特の(マジカルな)空間にしよう。日常の気がかりになりそうなものや、万有引力の法則や、損得感情によって制約を受けないようにしたい。


2) 相違点、エキセントリックさを歓迎する

 技量のあるリーダーは、正しいか誤りか、善か悪かを直接的に話すことを避け、創造性の自然な流れを促す。心からの自発性をもった状態を維持しながら、グループが [一点に留まることなく] 動き続けるのを巧みに奨励する。その間じゅう、考えと、感覚と、グループ全体の反応に敏感でいる。
 技量のあるリーダーは、風変わりな理解と行動のしかたを生み出すような多様なアプローチ法を認め、異なった意見や情報を尊重する。

3) 創造的な“グループ・マインド”の生起を助けるようなサポート感と場所を設ける

 複雑なジグソー・パズルに取り組んでいるとき、1つのピースだけを見ながら、それが全体とどうつながっているのかさっぱり分からずフラストレーションを感じたことがあるだろう。ピースをはめる場所は分からないし、ひょっとしたら手違いで余分なピースが箱に混ざっていたのかもと疑いたくなる。
 ブレイン・ストーミングの場では、誰もが自分の手にいくつかのパズルのピースを持って座っている。それらのピースにパズルの全体像につながる可能性があったとしても、それはごくわずかなものかもしれない。

 もしすべての参加者がその場で完全に尊重され安全であると感じたなら、彼らは一見、関係するようには見えない、思考や感覚や夢の断片を自ら進んで見せてくれるだろう。
 参加者たちは、自分たちが何をそこへ持ち込むかにかかわらず、評価され受け入れられる必要がある。

‘悪い’アイデアによって‘良い’アイデアがもたらされるのはよくあることだ。テーブルの上には単にあらゆるピースが載っており、創造的グループ・マインド、調和と一致、そして実行可能な解決が浮かび上がるように‘成功錯誤’ (試行錯誤よりマシな言い方) のプロセスを奨励し、支持すること。

4) 質よりも量を奨励する。「はい」だけ口にする。

 創造性であろうとするほとんどの試みは、基本的な所で欠点をもっている。知らず知らずそうなってしまうものらしい。つまり参加者たちが熟考された価値の高い提案を示さなければならないと考えること以上に致命的なものはない。質への心配は減らしてアイデアの量を奨励しよう。「正しくあるためには、まず最初は間違えてみるべきだ!」

5) 「ただ知らない」

 知らない領域は、知っている領域よりも広い。ブレイン・ストーミングがうまくゆくためには、自分たちが探している答えや解決を現時点では知らないという状態に慣れ親しむことが大切だ。
 簡単に言えば、解決が分かっていることを、自分は単に「まだ」知らないということだ。
 充分な時間と情報提供とサポートとともに、解決を見い出す能力が自分にあるという感覚を保って、知らないままの状態に慣れ親しむことは可能である。

6) 「ここ」から「そこ」へは行けない

 創造性がたどるのは直線的なプロセスではない。いま現在、自分がいる場所で考えた論理的な道順をたどって、満足のいく解決に行き着くことはできない。解決はすでに存在している。しかし、いま自分がいる場所からスタートしたのではそれを見つけることはできない。進むべき道を見つける前に、少し自分の心が辺りを歩き回るのにまかせよう。好奇心と、遊び心と、畏敬の感覚をもち続けて、問題の解決にとりくもう。

7) 具体的に

「モチベーション」とか「幸福」といったあまりに一般的すぎるトピックは避けよう。自分が取り組みたい具体的な状況を選ぶこと。そういった状況はたいてい、時間と場所の枠組みがあり、おそらくはっきりと関係がある人々を含むだろう。例えば、「朝ベッドから起き上がるための動機づけ」とすれば、一般的すぎる単なる「動機づけ」というトピックよりもよい成果が得られやすい。

8) ぴったりくるメタファーを見つけることで、解決が早く得られる

 違った脈絡の中に「問題」を置いたなら、自分が持っていたものは「解決」だったのだと気づくだろう。ブレイン・ストーミング、イノベーション(改革)、ドリーミング。それらすべては比喩によって象徴されるプロセスだ。全く明らかな共通点を浮かび上がらせることで、比喩は2つの異なって見える状況をつなぎ合わせる。別の脈絡の中に既に解決は存在していたのだと発見することで、現時点の問題に対する答えを見つけることだろう。

9) 創造性の生理学を体現する

 ストレスと不安感は決まって筋の緊張や、視野の狭窄、酸素不足の呼吸をまねく。
 創造性に関する自信があれば、筋のリラックス、広がりのある視野、酸素の流れの増加が導かれる。創造的になるために、創造性の生理学を体現する必要がある。筋をリラックスさせ、自由に楽に動き、視覚と心の目の両方の展望を広くもち、自由に楽に呼吸しよう。

10) 創造性は人生の流れと反対方向にはたらく

 創造性をもって生きるとき、私たちは未来を旅する。そして到達した姿を夢で予見する。現在をふりかえるようにして、そこへの行き方を見つける。


3. プラクティス「どちらが自然?、それとも不自然?」

 今回は頭をはたらかせるプラクティスだ。
「生命」「生活」「普通」「自然」「人工」いろんな言葉の意味を明確に定義し探究することは、自身の人生をさらに理解する役に立つ。自分が価値を置いていることは何かを理解し、自分が生命ある存在であることを感じることは、私たち自身の生命の本質に触れるきっかけとなるだろう。

「どちらが自然?、それとも不自然?」


4. 関連リンク

http://www.waystowellnessforwomen.com/
 友人のLavinia (Zahava) Weissmanによって運営される、女性のためのメディテーションの集まり。他の女性の仲間たちといっしょに、心の鎮まりと瞑想のエネルギーに触れ、日常生活の迷路を抜けて質素で健康的な生活を見つけよう。ボストンで週2時間ずつ開かれている。


5. おすすめ書籍・CD

Book:“Action Theater - The Improvisation of Presence”
by Ruth Zaporah
This lady is very talented and very creative. The book has some wonderful ideas and some fantastic exercises. It is great book for anyone who teaches workshops and wants to learn how to be more improvisational in nature, and how to develop PRESENCE. It is a great book for anyone who would like to explore the processes of improvisation and creativity.

CD: Boys Air Choir “Requiem” or “Bluebird”
This boys choir from England is sublime. Their music is lilting and beautiful.creativity.



6. エンド・ノート

 前々号の「あなたがアメリカを訪れたときに気づいたことがあれば教えてください」という問いかけに対する返事のいくつかを紹介しよう。

1) 一人分の食べ物の量がますます巨大化し続けている。
2) 「Lサイズ」の食べ物は決して注文してはならない。北アメリカの食べ物で「Sサイズ」というものは存在しない。
3) コーヒーの注文はとても厄介だ。単なるレギュラー・コーヒーなんてものはない。コーヒーはいま「ラテ」であり、いろんな作り方で、いろんなサイズで、いろんな形のボトルで出される。店員の一人に欲しいものを告げ、別の人に支払い、カウンターをぐるっと回って自分のカップを手にする。それが最初に自分が欲しかったものなのか、それが注文どおりのものなのか、すっかり分からなくなっている。どうしたって味はどれも同じなのに!
4) 一方で、洋服はどんどん「たっぷりサイズ」になってきている。かつて合衆国に住んでいたとき、私は12号の服を着ていた。いま着ている服のラベル表示は4〜8号。私はいまも昔も同じ体型である。これは上の項目1) とつながっている!?
5) アメリカは25年前よりも、清潔で安全になっている。実際ニューヨーク市は、陽気な人々によって見事な管理運営がなされている。
6) ニューヨークはさらにスペイン系の人が増えている。娘のスニーカーを買いに行った店では、多少なりとも英語を話す従業員は一人しかいなかった。
7) 健康的で「ノーマルな」食事をする最良の場所は日本食レストランである。とはいえ、一度典型的な日本料理を頼もうとしたら、従業員はそれを知らなかった。彼はベトナム出身だったのだ!
8) 海外からアメリカを訪れる旅行者はあっという間に、食べ物にとり憑かれる罠にはまってしまう――現地人同様に。幸運を祈ろう!
9) 人々は騒音に対して無頓着である。エアコンがどんなにうるさくとも気にもとめやしない。
10) 物を買うとき、特別価格や目新しさだけで購入する。ほんとうに必要なものかどうかは自問しないらしい。
11) 塗装や配線の取り付け、窓やドアの立て付けを見て感じることは、建築に関する職人技が失われる傾向にある。欧州の国々と比較して、合衆国の建物は貧相になっている。
12) どうして “ヨーロッパ製” であることを、高品質を示すものとして売る側はやたら強調するのだろう? ヨーロッパでは “アメリカ製” を強調するのだろうか? どちらの製品にも、良いものと悪いものがあるというのに。

* * *
 私は15年間、スペインに住んでいました。合衆国に戻って来て、たくさん気づいたことがあります。
1) いろんな出来事や風潮が「〜シンドローム」「〜現象」という名で呼ばれている。
2) ポテトチップス、ヨーグルト、クッキー、何であれ同じ商品でもいろいろ違った風味のものが並んでいる。一方で、まるでノスタルジアのように、オリジナル風味がそのピュアさゆえに求められている。レイズ社のチップスは単純で無垢だった過去を懐かしんでいるのかしら?
3) 多くの人が稼ぎに見合わない出費をしている。
4) 大型車または特大車を運転する人の割合が増加している。
5) プライムタイムのニュースキャスターが(私が思い出せる以上に)くだけた口調、スラング、正しくない文章構造で話している。
6) 多くの都市で、白人系以外の割合が相当多くなっているにもかかわらず、彼らは自分たちがまだ「マイノリティ」に属しているという。

 個人的なことで言えば、スーパーマーケットに行って1つの食品ジャンルから1つの欲しいものを選ぶときに、あまりにも多くの商品があるために圧倒されてしまう。店内にカウンセラーを置いたほうがいいのじゃない? 自分が欲しい特定のバーベキュー・ソースを楽に選びとってこられるのを援助する、傾聴の技量に長けたカウンセラーとの15分の穏やかなセッションが理想です!

素敵なニュースレターをいつもありがとう。
ジェニファー・J
ワシントン DC

* * *
 コメントを送ってくださった方に感謝します。前向きな参加はいつでも歓迎です。
 異文化どうしで見えてくるものはほんとうに興味深い。私の日本の友人はこう言っていた「すべての結婚は異文化の出会いといえる。特に同じ文化の人が相手のとき。共通しているはずという期待があるから衝撃も大きい。結婚することは知らない外国へ旅するのに似ている。そして文化的な変化に順応するにはいつも時間がかかるものだ」。


7. 著作権

 発行者の許可なく転載、複製はできません。一部を除き、当ニュースレター「ピュア・ハート、シンプル・マインド」のすべての内容は、チャーリー・バーデンホップが執筆、編集しています。
Charlie Badenhop © All rights reserved.

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日本語訳:下尾崎 勉プロフィール

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