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精心道オフィシャル・ニュースレター
「ピュア・ハート、シンプル・マインド」
Pure Heart, Simple Mind
®

第1巻、第24号 ; 2003年12月15日

『犬の意識がつたえるもの』
I hope you're not too proud to learn from a dog



【今号の内容】

1. スタートライン
2. 犬の意識がつたえるもの
3. プラクティス

「グレイスとパワーの呼吸」
4. 関連リンク
5. おすすめ書籍
6. おすすめ音楽
7. エンド・ノート
8. 著作権
9. 登録と解除



1. スタートライン

 今回のニュースレターは、ドイツの友人のキルスティン・ヒンリクセン(Kirsten Hinrichsen) またの名を”ニードリッヒ(Niedlich)”との会話にもとづく話ではじめたい。キルスティンは才能ある療法士である。

 キルスティンは犬といっしょに養護老人施設を訪問するボランティアをしている。犬は「チャーリー」という名で(訳注:ニュースレター筆者と同名)、少しばかりややこしいのだが、「チャーリー」は雌である。彼女がいうには、名前をつけたのは私に会うよりも前のことだそうだ。

 最近、キルスティンは施設にいる87歳の女性を訪問した。パーキンソンとアルツハイマーの両方を患い、ベッドの上でまったく動かずに横たわっている女性である。表情らしいものはまったくなく、キルスティンと犬のチャーリーが部屋に入って来たときも、何の反応もみとめられなかった。

 ベッドの上にゆっくりとやさしく犬が置かれた。少しの間おとなしくしていた後、犬は女性の傍らに落ち着いて横たわり、満足そうだった。

 少しずつ少しずつ、まるで映画を1コマずつ見るように、とても普段みられないことが女性に起こってきた。非常にかすかに、彼女の呼吸はソフトに、よりリズミカルになった。唇の両端がきゅっと動き、あたかも再び微笑むことを習いはじめた最初の段階のようだった。
 ときどき思い出したように、握られたままだった彼女の指が、チャーリーに向かって動きはじめた。その一連の動きは、入念で神聖さを感じる魅惑的なものだった。女性の顔と口はひくひくと動き、手は少しずつ前に揺れて動き、再びやわらかく開くかのように指も動いていた。
 犬に触れようとして5分かそれ以上努力のすえ、ようやく手は犬の背中に添えられた。
 この段階で、犬はちょうど眠りはじめるときのような鳴き声を出し、身動きした。そして、女性はため息をついた。息を吐き出しながら、女性の顔は美しい微笑みで輝いたのだ。15分前にキルスティンが部屋に入ってきたときベッドにいた女性と同じ人であるとは、ほんとうに認識しがたい光景だった。
 女性は話し言葉で自分を表現することはできなかった。でも、彼女は身体をつかって確かに表現したのだ! 横たわったまま犬のチャーリーはそのまま2時間も眠った。普段、日中にそんなことはなかったというのに。
 キルスティンにスタッフが語ったところによると、女性もまた同様にすっかりくつろいで睡眠をとったそうだ。

 翌週、キルスティンは同じ女性を再び訪問した。しかし、このとき犬のチャーリーは、女性への興味を前回のようには示さなかった。少しがっかりしつつキルスティンは女性の手をとり、犬をなでるときのように手をなでた。傍らに座りながら、深く呼吸し、身体の力をぬき、自分の身体を前後に揺らせつづけていた。
 そうしようと思っていたわけではないのだが、ゆっくりはっきりした声で、キルスティンは美しい春の日に犬といっしょに歩く様子を語りはじめた。まばゆい太陽、花々のにおい、輝く色彩、空気を吸ったときの冷たくて新鮮な感覚。再び少しずつ、すばらしい一連の動きが起こった。
 女性の手と顔に細かな動きが現れ、キルスティンは最初の訪問のときに見られた動作をまた見たいという衝動にかられた。
 キルスティンが自分のお腹の上に女性の手を添えるように置くと、もう一度、女性は深く呼吸をし、身体ぜんたいがリラックスし、そして再び美しく微笑んだ。
 キルスティンは思った「わー、ちょうど犬がしたみたいに、自分が女性をこんなふうに援助できるなんてすごい。これってほんとに、スローダウンして、誰かのハートを開き、生命あるものすべてがもっているつながりの中に入っていく体験なんだ」。それは癒しの本質であり、シンプルで、深遠な真実だった。

 この話を私たちと共有してくれたキルスティンに感謝したい。


2. 犬の意識がつたえるもの

 今回のニュースレターで焦点をあてようと思うことのひとつは、実にたくさんの人から「精心道のワークショップや個人セッションは、いったいどんなもの?」と訊かれるので、そのことから始めたい。ワークショップの中でとくに何が行われているかを説明するのは、なかなか苦労する課題だ。7〜8年間、数えきれない生徒が私とともに学んできたけれど、彼らは次のように同じ苦労を口にする。
「職場に戻ったら、以前より意欲的にふるまっていることに、すぐさま周囲の人が気づく。何があってそうなったのか? と彼らは訊いてくる。でも何と言っていいかわからないんだ。自分にとってはあまりに大切で深遠な体験だったけれど、言葉にすると何だか取るに足らないもののように響いてしまうから」

 キルスティンの話は、精心道のワークショップや個人セッションの雰囲気を描写するための、よいきっかけを作ってくれている。
 ワークショップやセッションの場所づくりにおいて、私が最初に目指すことは、安全で、どこか神聖で、そこにいる人が一息つけるような場所にすることだ。人がいったん安全で尊重されていると感じることができたなら、次の課題は、「自己と他者」に対するフェルト・センスが感じられるように、彼らに‘降りて’いってもらうことである。それを伝えるとき、話し言葉は要らない。
 私がよく言うのは、
「言葉よりも先にくる経験を、体験してもらえるように、私は皆さんを援助します。それは、考えよりも先に来る、判断よりも先に来る経験です」
 言葉がないとき、私たちは他者から分離されない。考えがなければ、痛みもない。判断がなければ、正しい−間違いも、良い−悪いという違いもない。自分が単にいま・ここにいるとき、平安を感じ、自己の中核を経験するだけである。
 これはまさに、犬のチャーリーが入院中のベッドの女性に経験させた状態である。女性が自分の「犬の意識(dog consciousness)」を経験できるようにチャーリーは援助した。ちょうど犬どうしが話せるようになるときのように。チャーリーといっしょに学んだことはまだないけれど、それはまさに、私がやろうとしていること、そのものでもある。
 私は、自分が生まれつきもっている犬の性質(dog nature)に降りてゆき、呼吸と、目と、動きと、触れることと、心の落ち着きとで、クライアントと話す。たいてい、私の非言語的な犬の性質のコミュニケーションは、いってみれば「あなたは愛され、許され、受け入れられ、保護されます。あなたがあなたでいるだけで完璧なのです」そんなふうに伝えようとしている。
 すべての生きている動物に共通する、言語よりもさらに深いレベルのこの真実、このコミュニケーションを理解することは、癒しと神聖さの部分をなす行いである。
 そうしているときに感じられることは、神の存在によって自分とクライアント両方ともが祝福され、天の恵みが与えられる場所にいるのだという感覚である。

 ここで「神」という言葉で、私が差しているものは、すべての生命と愛の触媒としてはたらく創造的な力のことだ。

 道のりは長く、旅の多くは困難をともなう。いつでも同伴者がいることは、ハートと気力で感じられる、なによりの癒しとこころ強さとなる。援助はいつでも手に入る。もし、私たちが信頼し、出向いてゆき、ほんとうに求めたならば。


3. プラクティス「グレイスとパワーの呼吸」

 今回のプラクティスは、精心道のレパートリーの中でも中心的な「グレイスとパワーの呼吸」だ。自分の原初の本性(primal nature)に気づくことだろう。

 このプラクティスは、慢性の緊張やストレスを乗り越えたくてセッションに来られた人々に、私が教えることの中の、始めの部分でもある。インストラクションはいたって単純だが、プロセスは深いものになりうる。自分の無意識、自分の核をなすアイデンティティ、自分の犬の性質(dog nature)、それらが呼吸の中に生きづいている。ぜひ試してみよう。

プラクティス「グレイスとパワーの呼吸」


4. 関連リンク

Today is a "double dip" day for Linda as I suggest another one of her CD's later on in this newsletter. Linda is a long time friend. She is a gifted artist and a wonderful soulful human being. Her work is soulful, simple, touching, and at times haunting.
Her brand new album is
"TRUE FRIEND." It is made up of all new - all original songs. Linda Worster, guitar and vocals; Reed Butler bass; Eugene Friesen cello.
The cost of the CD is $20 for one, $15 for three or more.
Shipping for 1-3 copies is $3 per package.
Linda Worster's email address: lworster@taconic.net.


5. おすすめ書籍 by Cindy Franklin

"Emotional Anatomy" by Stanley Keleman
This book offers practical insight into how motion, emotion and anatomy are dynamically interrelated. Using both pictures and verbal description, Keleman demonstrates how specific patterns of emotional response tend to lead to specific body shaping that is rigid, collapsed, contained, dense etc. He further shows how the structure/shape of one's body tends to perpetuate the very emotional patterns that were a major catalyst in generating the body shape in the first place. As a result of what we learn here, we come to understand that, shifting the body's structure/shape can shift one's range of available emotional experiences. One caution: The author at times demonstrates a somewhat rigid, mechanistic, or negative interpretation of various shapes and their corresponding patterns. Nevertheless, this book is a very rewarding read.



6. おすすめ音楽

CD: Linda Worster "SONGS"
This is the CD that I use over and over again in my workshops, and people are constantly asking how they can get a copy. Linda's music is deeply moving and beautiful.
This is a limited track CD, with my six all time favorites of Linda's work. The price of the CD is also "limited" due to the limited number of tracks, and the special price Linda sets for my students. Only $10 plus $1.75 shipping. This music will touch your heart!
Send Linda and email and she will arrange to send you a CD. Support the work of a gifted, heart felt artist. Linda's email address: lworster@taconic.net


7. エンド・ノート

 毎週新しい登録があり、現在、配信部数は3,600以上で、いまなお増加中。どうぞ友達にも、このニュースレターのことをお知らせください。皆さんに感謝しています。
* * *
 読者の皆さんが「動物から学んだこと」を教えてください!
(犬のチャーリーより)seishindo@seishindo.org
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 また、前号でとりあげたドッグ・トレーニングに関して、印刷する許可を求めてメールをくれたヘルス・ケアと精神療法の専門職の方々に感謝します。そういう申し出はいつでも歓迎です。
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 ワークショップ「東京クラス」のスケジュールは、下記のページでご確認ください。www.seishindo.org/japanese/tokyo.html


8. 著作権

 発行者の許可なく転載、複製はできません。一部を除き、当ニュースレター「ピュア・ハート、シンプル・マインド」のすべての内容は、チャーリー・バーデンホップが執筆、編集しています。
Charlie Badenhop © All rights reserved.


9. 登録と解除

 ニュースレター(英文)の登録と解除は、下記のURLで受付けています。原則的に月2回の発行です。
http://www.seishindo.org/newsletter.html

日本語訳:下尾崎 勉プロィール

*訳者へのメール送信はこちらからどうぞ*
ご感想や問い合わせのメール歓迎します。もちろん日本語で。




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