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精心道オフィシャル・ニュースレター
「ピュア・ハート、シンプル・マインド」
Pure Heart, Simple Mind
®

第2巻、第2号 ; 2004年2月1日

『激しさとやさしさを同時に奨励する
(またはインコと遊ぶ方法)
Biting the hand that feeds you



【今号の内容】

1. スタートライン
2. ‘つながり’を経験する
3. プラクティス

「活元運動(野口体操)」
4. 関連リンク
5. おすすめ書籍
6. おすすめ音楽
7. エンド・ノート
8. マイル・ストーン
9. 著作権
10. 登録と解除



1. スタートライン

 前号まで犬の話が続いていたけれど、今回はインコを飼う話から始めたい。このニュースレターを衛星チャンネルの「アニマル・プラネット」にたぶん出せるよ、と提案してくれてありがとう!

 これまで動物のトレーニングに注目して書いてきた。というのも、動物性を理解することで、あるいはスティーブン・ギリガン(Stephen Gilligan)のいう「哺乳類の意識(mammalian consciousness)」を理解することで、人間存在についてもっと学べると思うからだ。このミレニアムの遺産を理解することは、自分たちの感情への理解をより深めることであり、それは、自閉症やADD(注意欠陥障害)といった状態を価値あるレッスンとして、そこから大切なことを学びとることを可能にしてくれる。

 かなり以前のこと。両親は私に1羽のインコを贈ってくれた。インコに注目して最初に気づいたことは、小さな身体ではあるけれど、近づく人の指や身体に大きなダメージを与える危険な鳥にもなるということだ。その時分、私はリーヴス・ティーグ(Reeves Teague)とともに働き、暮らしていた。彼は天性の卓越した動物トレーナーである。彼は北カリフォルニアの山地で育ったので‘カントリー・ボーイ’の視点で動物を理解していたのに対し、私はストリートで育ったので‘シティ・ボーイ’の視点で動物を理解していた。

 以下のプロセスは主にリーヴスから教わったことと、インコをペットとして手なずけたときの自分の経験に基づいている。


1. オープンで好意的な表情で、攻撃を誘う

 インコは何であろうと、自己保存のための自然な行動としてあなたを噛んでくる。噛むのを止めさせようとはせずに、その習慣をよりよく活かすために奨励しよう。自分の指1、2本を保護するものを装着し(ただし全部の指は覆わずに)、その指をのばしてインコが噛みついてくるのを誘う。

 たとえ凶暴であっても、インコの現時点での習慣を歓迎し、利用するという概念は、まったく合氣道とミルトン・エリクソンの催眠療法の精神なのだ。

 エリクソン催眠において、クライアントの‘悪い’習慣を活かすとき、治療者は彼を変えようとしたり、何か悪いことをやっているんだというメッセージを与えたりするよりはむしろ、相手が現時点でもっている世界観に加わり、それを正当なものとして認める。

 合氣道では、相手が自分を攻撃するように誘う。あるレベルにおいて相手はほんとうには攻撃しないどころか、こちらが伝えることに従い、こちらが望むことをするようになる。合氣道では、攻撃を歓迎することによって、実際の打撃を霧散させてしまうことがわかる。合氣道の練習だろうと、インコを飼うことであろうと、攻撃を歓迎することは、悪意や凶暴さをかなり減らすことにつながるのだ。

2. 暴力とやさしさを同時に奨励する

 指を鳥かごに入れたまま、インコにガリガリかじらせる。もう一方の手で、ちょうど犬や猫にするようにインコの頭をそっとなでる。同時にやさしくもあり暴力的でもあるとき、それは遊びの行為へ引き込む導入部となる。

3. 欠点のような習慣を褒めることで
 行動の意味をリフレームする


‘悪い’習慣をよくやりましたと褒めるとき、習慣はもはや悪いものではなくなる。右手をインコにかじらせ、左手でエサを与えよう。関係は自然に循環する。指をかじる熱心さが薄れてくるのにそれほど時間はかからない。攻撃した後ごとにあなたが与えるエサを欲しがることはあっても、それを得るためにやたらと噛まなくてもよくなる。

4. スタートとストップの地点をぼかす
 よいと悪いの違いをぼかす

 
 インコは手をかじりながら、もう一方の手でなでてもらって、エサも与えられた。今回、なでたりエサをやったりしていたほうの手をかじるように、インコに進呈する。インコが遊びで指をカリカリつまんでいるとき、かつて噛みつかれていた方の手でなでよう。換言すれば、自分がエサをもらう手に噛みつくようにしむけるのだ。インコが混乱するのは明らかである。

5. 褒める理由を変える

 一定の期間をおいてから、インコがやさしくてこちらと遊ぶ様子のときだけエサを与える。少しずつ、そうやってエサと、それにありつくための行動の関連づけを変えてゆこう。この段階になるとたいてい、噛まれないように少し気をつけるだけで、動作をゆっくりすれば誰であっても遊ぶことのできる状態になる。

 このメソッドは、断然はやく、簡単で、思いやりをもってインコを手なずけられる方法だ。そして暴力への傾向があるように見える子どもでも同じである。


2.‘つながり’を経験する

 自閉症やいくつかのADDのケースとそれに関連があるように見えることから「暴力児」というレッテルを貼られた子どもにも、私は同じ基本プロセスを用いてきた(ここで話題にしているのは、家庭内で養育されていまなお苦しんでいる子どものことであり、世話人によって暴力的な扱いを受けたようなケースではない)。
 私の考えでは、暴力的になったり感情が不安定になったりする多くの子どもの行動の主な要因は、知性よりも先にくるレベルで深い怖さの経験を、身近なものとして育ったことにある。この怖れは、子どもの脳の情動を扱う部位である大脳辺縁系の不完全な発達と結びついており、腸の神経システムとも関連がある。
 子どもの状態は時間とともに癒される。大脳辺縁系と新皮質(認知的機能を扱う部位)との間の神経のつながりが、充分には発達/完成されなかったというのが私の見方だ。大脳辺縁系と腸の神経システムはひとつの胚の中で、大脳新皮質よりも先に発達する。この両方のシステムは私たち哺乳類の意識と感情の管理機能とつながっている。暴力は確かに感情の反応である。とくに子どもが自分の周囲で起きていることに注意をもって反応していないように見えるとき、子どもは自分の内部で起きていることに反応しているのである。

 私は過去に何度か、暴力をふるう子どもを相手に作業した。いったん暴走が始まったら、どうにも本人ですら止められなくなってしまうような子どもだ。もし必要であれば、護身術教室のような防御のための服を着る。彼らとは遊びごころをもってかかわる。子どもが私に向かって粗暴にふるまうように誘う(インコの例のように)。子どもは攻撃するうち、その場でしていることに完全に夢中になる。私は緩やかに彼らをつかまえ、いくらか叩き、かかえ、ころあいを見計らっていっしょに床を転げまわる。どんなセッションだろうが、私はほんとうに彼らがくたびれるまでやり続ける。これをやるには、自分自身いくらか覚悟が必要だ。たいていセッションの時間が終了するころ、私はヘトヘトになるからだ。

 ここでの主な概念を「プライマリー・コンタクト(一次接触)」と呼んでいる。子どもの足をとり、彼らの足のうらを私のお腹に(肌と肌で)つけさせる。これが安全であったら、同じように、私の顔につけさせたりする。彼らがめまいでクラクラするまで回転させた後、放して休ませてやったり、捕まえて5秒間かそのくらいきつく固定してから、完全に解いてやる。いろいろな動物の鳴き声を出したり、死んだふりをしたり、そしていつも必ず、彼らが私を攻撃できるスキを与える。
 自分の防護の服を脱いで、私は床にごろんと、無防備な格好で横になる。やがて、子どもは自分がここで相手を襲撃し、蹴りつけることも、傷つけることもできるのだ、と気づきだす。近くにやって来て私の目をのぞき、そのことをお互いがわかっているのを理解する。これは、何かしらとても不思議な感覚だ。
 深い結びつきと、手放し(letting go)の瞬間だ。互いの交わりが自分たちの動物のハートに触れた瞬間であり、ふたりともが愛で満たされる瞬間である。

 ここで私が語っているのは、治療プロセスぜんたいのほんの一部分でしかない。私自身のものであれ、他の専門家であれ、プロセスぜんたいは変化に富み、いろんなものが間に入ってくる。しかし、わかっていることは、こういった作業がほんとうに子どもを援助し、また同時に私自身が感情面で大いに受け取るものがあるということだ。
 いつの日かこういうプログラムを、すでに同様の作業をやっている私の合氣道の仲間とともに、実行したいというのが私の夢である。
 こういったかかわり合いの経験は、子どもと同じく大人の心のケアにも大いに有効だ。事実、そのような作業を渇望している大人たちはたくさんいるはずだ。こういった動物どうしにも似た関係は、絶え間なくいつもいつも何かを攻撃する姿勢はもはや不必要なのだという、「身体と感情でわかる」知恵をもたらしてくれる。
 適切な状況下であれば安全なものなのだと、多くの人は理解する必要がある――脆さや、無防備さや、愛を経験することは。


3. プラクティス「活元運動」


 今回のプラクティスは、一度紹介したことのある「活元運動」である。活元運動は精心道プラクティスの中心的なもので、私の野口整体の練習経験に基づいている。野口先生の言葉によると、すべての病いや不快感は、身体の中に過剰なエネルギーが溜まっているために起こる。かかえている過剰なエネルギーを放出すれば、病いと痛みと疼き、そして感情も放出され、愉快さと活力がもどってくる。

プラクティス「活元運動」


4. 関連リンク

We are happy to feature the work of The Bronx Peace Village on our site. The fine people who run this project help to develop peaceful and effective responses to conflict in community settings. They train people in meditation and various nonviolent actions and practices. Give their site a look, and perhaps you might find a way to somehow get involved in such fine work.


5. おすすめ書籍 by Cindy Franklin

"And there was light." Autobiography of Jacques Lusseyran, Blind Hero of the French Resistance.
Lusseyran was blinded as a boy of 11, and went on to be guided by his own kind of inner seeing that was both a subtle sensing of color, pattern and luminosity, and a corresponding spiritual knowing. This autobiography describes how Lusseryan's inner sight helped him in his work in the French resistance, and later helped him survive life in a concentration camp. It is a fascinating and a deeply inspiring book, and I think it is relevant to Seishindo because it is about an inspirational, highly individual way of living the mind-body-spirit connection.



6. おすすめ音楽

CD: "Hasta Los Huesos" Los Activos
This is an album by a group that started out entertaining on the streets of Spain. (Or so I have been told.) I have jokingly referred to this music as Flamenco hip hop. The group is up tempo, soulful, and haunting. An excellent CD to add to your collection.


7. エンド・ノート

 多くの人が、ケルスティンの話に出てくる犬の名をチャーリーにしたのは、なかなかウマイことをしたねと書いてくれた。でもほんとうに現実に生きている犬の名前がチャーリーで、そしてチャーリーは雌なのだ。

 少しばかり、ニュースレターの執筆のプロセスを説明したい。私が書いたほとんどのものは、実際にあったことをきっかけにしている。たいていは自分の身に起こったことで、まれに新聞や友人が教えてくれたことからヒントをもらう。人々のプライバシー保護のためいくらか状況を変えたり、ちょっとした味付けも加える。だから、完全な作り話でもなければ、過去に発生した事実を正確に書こうとしているのでもない。私が何かに気づいて立ち止まり、そこから学んだことがらを、あなたにも経験してもらえればと思っている。前のケースでいえば、犬は確かにチャーリーであり、ケルスティンは年老いた人々とすばらしい仕事をしている、実在の友人なのだ。


8. マイル・ストーン

 以前の号で、シャーロン・ミジャレス(Sharon Mijares)のことを書いた。作家、教師、すばらしい療法士であるとともに、よき友人でもある女性だ。最近、その彼女が合氣道の「黒帯」をとった。誰にとってもすごいことだが、とくに彼女の場合、孫もいる61歳という年齢での快挙である。心からおめでとう。シャーロンのポジティブな活力をほんとうに賛えたい。

* * *
 画家でマッサージ・セラピストのキャサリン・キーン(Katherine Kean)から新しいウェブサイトの知らせをもらった。自然の力に触発されて生まれる彼女の絵を見てみよう。http://www.katherinekean.com

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 あなた自身(またはグループ)のマイル・ストーン [画期的な出来事] を教えてください。 ウェブサイトを立ち上げたばかりだとか、取り組んだ甲斐があったクライアントのエピソード、ふと気づいた重要な真実、10代の息子や娘に関して得られた役立つ理解、記事や書籍を執筆したことなど。ぜひ、下記アドレス宛に送ってください。
seishindo@seishindo.org


9. 著作権

 発行者の許可なく転載、複製はできません。一部を除き、当ニュースレター「ピュア・ハート、シンプル・マインド」のすべての内容は、チャーリー・バーデンホップが執筆、編集しています。
Charlie Badenhop © All rights reserved.


10. 登録と解除

 ニュースレター(英文)の登録と解除は、下記のURLで受付けています。原則的に月2回の発行です。
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 ワークショップ「東京クラス」のスケジュールは、下記のページでご確認ください。www.seishindo.org/japanese/tokyo.html

日本語訳:下尾崎 勉プロフィール

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