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精心道オフィシャル・ニュースレター
「ピュア・ハート、シンプル・マインド」
Pure Heart, Simple Mind
®

第2巻, 第3号; 2004年2月15日

『自由への飛翔とそのリスク』
The rewards and risks of personal freedom



【今号の内容】
1. スタート・ライン
2. 自由への飛翔とそのリスク
3. プラクティス「今日‥‥」
4. 関連リンク
5. おすすめ書籍
6. おすすめ音楽
7. エンド・ノート
8. マイル・ストーン
9. 著作権
10. 登録と解除



1. スタート・ライン

 いろんな人と交流を重ねるにつれ、人と動物たちの間に、素晴らしい共通点が数多くあることにますます気づかされる。自己の動物性に目をむけ、自分の感情をより良く理解し、その感情とうまくつき合ってゆけるように、このニュースレターの動物シリーズがいくらかでも役立てばと思う。

 新たに1羽のインコを飼いはじめたとき、最初にわかったことは‘チコ’は飛べないということだった。以前チコをトレーニングしたときは始終、私の指に噛みついていて、飛べるかどうかはさほど気にかけていなかった。しかし、いったん親しくなり、頭をなでられるのを彼が喜ぶようになると、[手のりとして飼えるように] 短く切られたその羽根を、私は悲しく思うようになった。彼は人間同様、地上にとどまっていたのだ。翼が短く切られてしまっていることは、鳥としての存在理由を失っているも同然だった。

 そこで私は、チコの人生に活気を与えたいと思い、よく晴れたある日、裏庭の木の枝に彼をとまらせた。最初、彼はいくらか困惑してるようだった。普段以上に鳴き声をあげ、まるでお産を別室で待っている父親みたいに、落ち着きなく枝の上で行ったり来たりしていた。数カ月たつうち徐々に、彼は地上に縛りつけられた自分の運命をくつがえす様子を見せるようになった。とはいえ興味深いことに、一度飛ぼうとしたときでさえ、どういうわけか彼は羽ばたたきをしなかった。あたかも自分はそれが出来ないと信じているかのように。どうしてそんなふうに思うようになったのか、私はいつも不思議に思っていた。

 ある日、私は都会の真ん中のいつもの裏庭に座っていた。チコは数ヵ月前に初めて外の枝にとまらせてやったときよりも、激しく動きまわり、せかせかと行きつ戻りつしながら騒々しく長々と鳴いていた。私はその日のことを今でもはっきり覚えている。彼は一瞬、動きを止めたかと思うと、こちらの背中がびくっとするほど、大きく叫んだ。一度鳴き、さらにもう一度鳴き、家にきてからこのかた初めて彼は羽根を猛烈にばたつかせ始めたのだ。3秒ほど羽ばたきをした後、大きな一声をあげつつスペース・シャトルのように、彼は枝から飛び立った。私は嬉しいと同時にショックだった。彼の羽根がもとの本来の姿へと、ひそかに成長を続けていたことを私は知らなかったし、それは人目を盗んで囚人が準備をするのにも似ていた。脱出のための期が熟すその瞬間を、チコはずっと待っていたのだ。

 月曜の午後おそく、チコは自由への脱出をやってのけた。よく晴れていたその夜、彼は帰って来なかった。そして、火曜の夕方になってようやく裏庭に再び姿を見せた。でも手の届かない枝にとまったままだ。彼に話しかけ、食べ物を見せたが無駄だった。再び閉じ込められる気などない様子だったので、私は鳥カゴをいったん中にしまった。それから私は“もし戻って来てくれたら天気のいい日にはかならず外に出してあげます”と堅く約束した。真剣な誓いを立ててからほどなくして、彼は私の肩に飛んできて頭の上を歩いた。私は彼といっしょに家に入り、上の階にあがった。

 その日からというもの、天気のいい日はいつでも朝早く外へ出してやると、暗くなる前に彼は帰ってきた。この日課は2ヵ月ほど続き、チコは前とは比較にならないほど幸せそうだった。ところがある日突然、彼は病気になった。獣医に診てもらったところ、近所のハトから感染したようだった。2、3日もせず彼は死んでしまい、家じゅうで喪失を悼んだ。もし私が、毎日彼が自由に外を飛べるようにさえしなければ、いまなお生き続けていたかも――そんな考えが頭の中をよぎった。だとしても、人生の価値は生きていた年数ではないと次第に思うようになった。もし自分が鳥で、飛べないままでいるとしたら、いったいどんな感じがするだろうか?


2. 自由への飛翔とそのリスク

 人生のいずれかの時点で、あなたは自分の翼を短く切ってしまった憶えはないだろうか? まだ子どもだったころ「そんなことできるわけがない」と人から言われたり、あるいはただ単に、何かが充分じゃないというメッセージをもらったことが、多くの人にとって自分の羽根を縮めてしまった最初の経験かもしれない。高校時代に憧れの人から拒絶されたり、志望した大学へ入れなかったことかもしれない。ちょうどチコのように、もし翼をずっと折りたたんだままでいると、自分にはもう飛ぶ能力がないのだという深い感覚が、私たちの内部で急速にわき起こってくる。そして元から備わっている生来の自分の能力、すなわち自分は生きたいように生きられるのだという現実を見失う。自分の羽根がいまなお、その根元から静かに成長し続けていることに、チコと違って私たちはなかなか目をむけようとしない。そうして二度と飛ぼうとしなくなり、自分が生きている意味を忘れてしまう。自己を信頼するなら本来の自分でいられるし、空の星にも手が届くのだということを忘れてしまう。自己の原初の本性とのつながりを失ってしまうのだ。

 以前の号で、人生の価値とそれが向かう方向は、生きてゆく中で実際に起こったことがらに依存するのではなく、起こったことに自分がどう反応するかに依存しているということを書いた。結局のところ、人生は自分が何を信じるかということ、そして困難に出会ったときに、自分がどうそれに反応するかに依るのだ。人生の初期に早々と翼をたたみ、決して再び飛ぼうとしないこともできるし、あるいは時を待って、まさにチコのように必要な準備を入念にととのえた後、期が熟したその瞬間に飛び立つこともできる。

 先週末、私はニューヨーク市で「スタンディング・オベーション」という名のパフォーマンス・アーティストを対象にしたワークショップを開き、そこで教えた。長年ワークッショップをやってきたが、今回はとりわけすばらしい経験だった。オペラ歌手、ポップス歌手、ピアノ奏者、演説者、セミナー講師、会場は満員で熱気にあふれていた。クラスが進むにつれ徐々に、彼らが普段上演する前にいつも自分の翼を短く縮めてしまっていることを、参加者たちは深く理解していった。どうしてそんなことになるのか? それは、彼らは自分に向かってこう言うためだ。「前回やってしまった同じミスはもうしないぞ」。またはこう言う「観客はたいして興味がないみたいだ」。またはこう言う「この出番こそ、ほんとうに重要だから絶対にヘマはできない」。ただ考えを手放して自分のもてる力の限界を試すのではなく、自分はこう‘すべき’だと、彼らは自分に向かって言う。
 チコが鳥としてもっていたのと同様に、私たちもまた自然な能力をもっているとすれば、生来のものとして持っている天から与えられた才能を抑圧することで、私たちは抜群のパフォーマンスを自分でストップしている。自分が何者でどんな人物かという考えや、人に何かを伝えたいという思いに感情が動かされて、うまくやれるはずのパフォーマンスを自分で妨害しているのだ。

 4月のある月曜の午後おそく、チコは自由への飛翔をやり遂げた。あなたの番はいつだろう? 本来の自分になるために生まれてきたのだから、調子が良かろうが悪かろうがいつであろうと、あなたには選択できるチャンスがある。
 もし自分を自由にしてやらないのなら、人生の目的はいったい何なのだろう? 不利になることを怖れて安全の中にとどまるより、もっと別の生き方があるのではないだろうか?
 その人の人生の価値は、自分が自分の本質として感じていることと、他の誰でもない自分用に形づくられた人生に依存している。もしあなたが魚だったなら、なんとしても泳ぐことが人生には必要だ。もしあなたが鳥だったなら――平和の鳥、愛の鳥、美の鳥、どんな鳥であれ――人生には飛ぶことが必要だし、もっとも自分らしい姿でいることで、道すがら出会うものすべてに本質的に自分がもつメッセージを伝え広めることが必要だ。もし本来の自分でいないとしたら、いったい自分自身をどんなふうに感じるだろうか?


3. プラクティス「今日‥‥」

 今回のプラクティスの名前は「今日‥‥」だ。
 精心道の基本原理である「吸収」「利用」「バランス」を用いることで、シンプルでありながらも深い体験となる。

吸気とともに挑戦的課題を「吸い込み」、それについて考える。

挑戦的課題によって自分の内部に生まれてくるエネルギーをうまく利用する。取り組みたい課題が、とても重要で、明らかに難しければ難しいものであるほど、得られる活力も大きなものとなる。

感情のバランスを保ち、課題のあらゆる側面や可能性を見てゆく。


 プラクティス「今日‥‥」


4. 関連リンク

http://www.allfamilysolutions.com
 子どもをもつ人はもちろん、子どもを相手に働く人にも役立つサイトを紹介したい。ケイ・ケラー(Kay Keller)はやさしい触れあいと、遊びと、夢と通して子どもとコミュニケートする方法を親たちに教えている。赤ちゃんとやりとりできるサインやメッセージはどんなものがあるのか。どんな遊びが子どもを伸ばすのか。子どもの夢は内的世界について何を物語るのか。このサイトでケイといっしょに学べる。


5. おすすめ書籍

「聖なる快楽――性、神話、身体の政治」
リーアン・アイスラー[著] 浅野敏夫[訳] 法政大学出版局
"Sacred Pleasure" by Riane Eisler
This book offers insight into how our mind-body-spirit unity is impacted by cultural practices. She proposes that the "dominator model" cultural orientation (with proponents such as Jerry Falwell and Larry Flynt) sacralizes suffering and hierarchy, eroticizes violence, divorces sexuality from spirituality and love, and devalues pleasure, nature, and the feminine. Fortunately, her book also illustrates how cultures that are primarily based on the "partnership model"ムCultures that include a feminine presence in the godhead, consider pleasure sacred, hold sexuality as deeply connected to love and spirituality, and honor natureムhave also existed since prehistoric times. This is a highly readable and thought provoking book
.


6. おすすめ音楽 by Cindy Franklin

CD: "Touched by an Angel" Various artists
This is a great compilation disk of moving music from the likes of Celine Dion, Bob Dylan, Wynonna Judd, Faith Hill, and Uncle Sam. Like most any compilation disk, I am not in love with every cut on this CD, but the number of tracks that I do like makes this a highly desirable CD for me, and quite useful in my workshops.



7. エンド・ノート

ケント・ビーブさんのコメント:

 ニュースレターをありがとう。ミシガンの合氣道セイワ道場を設立したマーク・クラポさんに、このニュースレターを教えてもらいました。特に動物の習慣とトレーニングのことを興味深く読みました。
 26年間、獣医をやってきた者として、うなずける点が多くあります。チャーリーさんの鳥のトレーニングに関して補足すれば、噛み付きに見られる攻撃性は、動物が自分のいる環境をコントロールするためにとる最初の手段です。飼い主は相手の攻撃性を強めたり、あるいは中和したりします。[カゴや檻に閉じ込めることで] 動物の攻撃から距離をとったり(=人間の勝ち)、あるいは噛み付きや鳴き声を奨励しながら動物を訓練することも出来ます(関心がうすれて放置するよりはマシ=再び人間の勝ち)。
 よくコントロールされたやり方でかじり付きが許されると(私は手を覆う防護タオルをよく用います)、この種の反応は中断されます。いったん攻撃が中断されたら「よくやったね」と鳥の頭をなでてやります。この方法は猫や仔犬など、アドレナリンをもつ他の動物にも効果的です。飼い主がうまく扱えなかったり、思うように投薬できなかったりといった光景を私は何年もの間見てきました。そしてしばしば、動物たちの攻撃性を理由に、不必要な安楽死という結末を迎えるのです。これは人間自らに課された問題のはず。支配的でもあるいは完全に受け身でもどちらでも、肯定的な人と動物の絆はつくられるのです。“Join−Blend−Lead”つまり関係に加わり、混ざり合って余裕を生み出し、そして相手の行動をやさしく導くことによってのみ、効果的な方向転換が可能なのです。おや? これはどこかで聞いたような基本原理ですね。


アンジェラ・ホワイトさんのコメント:

 私は大きな公立高校で美術の教師をしています。自分のアトリエも持っています。教えることと描くことの共通点は、どちらも生命のエネルギーの流れと変換が必要なことだと思います。下記のウェブサイトで作品をご覧ください。
http://www.angelawhiteart.com


8. マイル・ストーン

スザンヌ・ポメランツさんのコメント:

 他の人にとってはたいしたことではないかもしれないけれど、ここイスラエルでのツアーガイドの資格取得を、私はほとんど諦めかけていたんです。たった一つの試験を除けば――2年間の集中講議と必要な他のすべての試験も完了していたのにです。おかしなことに実際のところ何度受けても、口頭試験がパスできなかったのです。歌手や講演者にもこんなことが起こるのでしょうか?きっと、また失敗するんじゃないかという心配やおそらくは成功への怖れなどが、試験への挑戦をさまたげていたのかもしれません。でも先週、再度挑戦してみたらパスできたのです!試験の前夜、妹がこう言ったのです。「ひとつだけ言っておきたいの――呼吸を忘れないでね!」そして試験の最中に、言葉がつっかえた時にも試験官のひとりが同じことを言ったのです。
 チャーリーさんのニュースレターで、 [認知によって経験される自分ではなく] 身体で経験される自分のことを読んでいました。とはいっても、自分のインナーセルフについて積極的に考えたことはなかったし、あるいは変化に不可欠とされる提案を実行したこともありませんでした。はっきり言えることは、そういう考え方やアイデアを自分の心に留めていたということくらいです。きっと、私の内部で静かに効力を発揮していたのかも知れません。私は以前のどの試験のときよりもリラックスして挑みました。
 イスラエルの官僚制度の迷路をさまよい、6年近くかかったこのキャリア(つまりは私の人生!)に変化を起こすことができたのです。あと2週間もすれば、私は正式にイスラエルのツアーガイド資格を取得できます。誰にとっても小さな成就ではないと思いますが、特に54歳の私にとっては、とんでもなく嬉しいことなんです!(イスラエルのエルサレムより)


エド・ボナパーティアンさんのコメント:

 夢と直感をうまく使う自己治療の本を執筆しました。
Booklocker.comでベストセラーの一つに数えられています。タイトルは「我らが人生の物語」です。夢と直感が感情を癒す役割を演じることを示す実話にもとづいた一冊です。夢による治療的なはたらきをとりあげるばかりでなく、アルコール症のアダルトチルドレンや、その回復の問題、そしてシャーマニズムにも触れています。下記のサイトでチェックしてみてください。
http://www.booklocker.com/books/1462.html

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9. 著作権

 発行者の許可なく転載、複製はできません。一部を除き、当ニュースレター「ピュア・ハート、シンプル・マインド」のすべての内容は、チャーリー・バーデンホップが執筆、編集しています。
Charlie Badenhop © All rights reserved.


10. 登録と解除

 ニュースレター(英文)の登録と解除は、下記のURLで受付けています。原則的に月2回の発行です。
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日本語訳:下尾崎 勉プロフィール

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