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精心道オフィシャル・ニュースレター
「ピュア・ハート、シンプル・マインド」
Pure Heart, Simple Mind
®

第2巻, 第4号; 2004年3月1日

『忍耐ばかりが人生じゃない』
Life is not a hardship to be endured

このニュースレターは、思いやりと明快さをもって創造的に生きようとする人たちに向けて配信しています。ご感想・ご質問は下記のアドレス宛にお願いします。seishindo@seishindo.org




【今号の内容】
1. 東京の町かどで
2. 忍耐ばかりが人生じゃない

3. プラクティス
「世界とつながり、世界へ広がる」
4. 関連リンク
5. おすすめ書籍
6. おすすめ音楽
7. エンド・ノート
8. マイル・ストーン
9. 著作権、登録と解除



1. 東京の町かどで

 ありふれたことの中に非日常的な気づきを見出すこと。それがこのニュースレターでやろうとしていることのひとつだ。動物、子どもたち、老人の集まり、草木や花、たとえ雑草であってもすべてが対象になる。そういった対象はいつでもそこにあるにも関わらず、私たちがそれに注意を向けたときのみ、生命とはどんなものであるかというある種の‘特別な’レッスンを教えてくれる。

 たいていは見過ごしてしまいがちな生命の一側面を照らす美しいレッスンのひとつを紹介しよう。

 東京の、私が住んでいる周辺の道は、クルマどうしがかろうじてすれ違えるほどの狭さなので、自転車を道路のわきに整列させて止めることは必要かつ重要だ。

 妻と娘と私の自転車、それに私のオートバイは道に沿わせて、通りをはさんだ真向いの家の前に並べて止めてある。どうみても隣人にとってはそんなものがいつも止めてあるのは邪魔でフェアではないのだが、実際そういう状況なのだ。道路の縁石から隣家との間は50cm弱しかない。ほんとにもうギリギリである。

 8年ほど前、私が止めていたオートバイのわきに無害そうに見える雑草が生えてきた。オートバイを止めている場所に1本くらい雑草が生えたってどうということはないと思うだろうが、とにかく話を続けさせてほしい。私も最初は気にとめていなかったのだ。

 小さな雑草は壁と歩道との隙間から、つつましく芽を出しはじめた。実際それをひっこ抜くほどにはあまりにかわいい姿であるばかりか、その驚異的で小さな開拓者を微笑ましくさえ思っていた。

 日ごとにその小さなモンスターは静かにしかし敏速に成長し、6カ月ほどすると私のオートバイの前輪をすっかり覆うほどの茂みとなり、そこには鳥がとまりに来ていた! 何回かオートバイのシートについた鳥のフンを掃除した後、私は植木バサミを取り出し、地面から15cmほどの高さにまで茂みを切ってやった。

 最初に芽がでたときに放置したのが私の1番目のミス。そして15cmの高さを残して刈り込んだのが2番目のミスとなった。そいつはまるで復讐するかのような勢いで成長し、以前にもまして枝を広げるまでにさほど時間はかからなかった。小さな隙間からのびたそれは草というよりは、いまや樹木の様相を呈していた。馬鹿げたことに、この脅威に対して私がとった行動はあまりにのんきだったのか、あっという間に以前よりも急速に成長をとげ、再びオートバイのシートについた鳥の仕業を見つけてしまった。
 今度という今度は、植木バサミどころか生け垣用の大きな刈り込みバサミを持ち出し、その雑草を可能な限り歩道の上の見える部分は全部切ってやった。やり終えたとき‘まいったか、とんだ厄介払いだ!’とさえ思った。

 それから確か、翌日か翌々日の朝だったと思う。外に出てみて信じられない光景を目にした。そいつは明らかに新しい芽を出していたのだ。私はすぐに小さなシャベルで掘り返してみたが、道路の舗装をはがさない限り根絶することは不可能だった。間違いなく新しい芽は自分の兵力を総動員してくるだろうことは目にみえていた。
 この時点で私は力関係の逆転をしぶしぶ認めざるをえなかった。私がこれまで受けてきた高等教育や、ビジネス分野での交渉に関する専門的なトレーニングや、コミュニケーション戦略などいっこうにお構いなしに、雑草は優勢にはびこっていた。まったく厄介この上ない。

 どうすべきか?

 実現可能な方法は1つしかなかったと今になって思う。
 第一にオートバイを止める違う場所を見つけた。第二に、園芸用の肥料を買って来て「わかったよ、お前の勝ちだ」という気持ちで雑草に肥料を与えてやった。それから毎日しっかり水と肥料をやり続けると、雑草として生えてきた木は壮観なほどに成長し、それを見て私はあたかも自分が始めた盆栽のように愛おしく感じた。そして数年後にはほんとうに見事な姿に育っていた。

 2つの疑問が想起される。読者のあなたも疑問に思ったのではないだろうか?

1. 水と肥料を与えられ、愛情をかけられ、剪(せん)定までされた雑草を、今なお‘雑草’と呼んでもよいのか?

2. 人生で起こることが実はほとんど自分たちにはコントロール不可能なものなのだと、ひとたび私たちが気づいたときに初めて、生命は計りしれないその壮大さを示してくれるのではないのか?

 私はただ願うばかりだ。樹木が示してくれたような生命の強靱さの半分でも、自分の気力として持ちたいものだと。


2. 忍耐ばかりが人生じゃない

 心に留めておきたい大事なことは、人間だれしも他の生物とのつながりを持つことができ、それらと‘共鳴’する力が私たちの脳の大脳辺縁系の機能として備わっているということだ。犬とその飼い主の関係を見れば、動物との心のつながりが必要なことがわかる。ある程度の期間、飼い主と暮らしたことのある犬であれば、思いもよらない方法で時刻を告げる様子がみられる。普段、飼い主が午後6時に帰宅するとすれば、たとえ時計を隠しておいても、平日の毎日午後5時45分になると居眠りから起きて、そわそわと歩き回りはじめる。飼い主側に目を転じると、その日は仕事で気力のすべてを使い切りクタクタになって帰宅したとしよう。しかし、彼女が玄関ドアを開けると、そこには帰りを喜んで尻尾を振っている愛すべき友だちがいる。とたんに彼女の疲れはどこかに行き、いっしょに犬と遊びたくなる。

 確かに科学的根拠も数多くある。ペットと良い関係をもっている人々は、動物をもたずに暮らしている人々よりも、寿命が長く、また疾病からの回復も早いのだ。人間の大脳辺縁系 [情動をあつかう部位] と、心身のバランスを回復させる機能に、動物たちが一役かっていることは疑う余地がない。おそらく動物たちの側にも同様のことがいえる。

 私はここ東京に住んでいて、地域の人たちが趣味で家先に並べている盆栽に出くわすのは楽しいものだ。私が見たことのある鉢植えには感銘深いものもいくつかあり、すばらしいものの1つは、近所の家に沿って並んでいる百種類もの菊のコレクションだ。鉢のいくつかはとても大きくて古くからあり、ほかに小さな鉢も同じようにきれいに手入れされている。開花のシーズンになると、私はいつもその美しさにおののきすら感じていた。

 あるよく晴れた秋の日、私は普段ほどには気分がすぐれなかった。たまたま近所の鉢植えに目がとまり、そこの家主と初めて話をする機会がもてた。彼は81歳で、かれこれ35年ほど、この数え切れない菊の世話をしてきたそうだ。それほどまでに大掛かりな鉢植えの世話をする気にさせるものはいったい何なのですか? と私は彼に訊いてみた。菊を植え始めたのは、自分の息子を交通事故で亡くしたその後まもなくのことだと彼は語ってくれた。「この花の輝きを見ているとねぇ、息子の笑顔の暖かみを感じるんだ。まちがいなく、私はこの花たちに救われたんだよ」
 愛することはなんて美しいのだろう! そして外の世界に美を見つけることが、自分たちの心身の健やかさを保つために必要だということがまさにここで体現されている。

 私にとって、家の真向いに雑草として生えてきた背の低い木と私との関係は、愛そして心からの好意の重要な表現なのだ。その木は私自身と人生を象徴するメタファーである。その木に栄養を与えることが重要なのは、そうすることで私は自分に栄養を与えていることになるからだ。その木の世話をしているとき、私は自分自身の心身も同時に世話をしている。木をきれいに刈り込むとき、私は自分の人生に美的価値を加えているといえる。

 あなたはどうだろう? 自分自身に、そして‘自分以外のもの’に対しても、愛そして心からの好意を表現しているような関係を持っているだろうか? そうであると願いたい。というのも、あなたの心身両方の健やかさは、あなた示す愛の表現と互いにからみ合って切り離せないものだから。


3. プラクティス「世界とつながり、世界へ広がる」

 自分が何かとつながっている感覚を持つことを助けるプラクティスである。それは友人、同僚、家族、味方になってくれる人、愛情のある人、自然や芸術に同様の関心をもつ人とのつながりだ。自分と他者とのつながりが感じられるときにこそ、私たちは力づけられ、また自由に動きやすくなる。

「世界とつながり、世界へ広がる」


4. 関連リンク

http://www.resourcesinmovement.com/TonicFunction_Exp_Anatomy.htm
This site is a great resource for people interested in somatics.
Here is a workshop being offered by Kevin Frank & Caryn McHose:
Tonic Function and Experiential Anatomy:
A Perceptual and Coordinative Approach To Structural Integration
A Five Day Course in Holderness, NH, June 18-22, 2004
Hubert Godard's theories on Gravity and Tonic Function help body therapists and movement teachers use gravity principles to make changes in the way people function. The key to this way of working is understanding that how we use our attention before we move, completely changes the way we move.
Two of Godard's long time students are offering a class in some of his more important lessons in perception and body analysis. It will be held at their studio by a quiet lake in rural New Hampshire. Don't miss a great chance to get an in depth introduction to Godard's work, and come away with insights into what makes movement changes possible.

 毎週たくさんの新しい方がニュースレター講読の登録をしてくれています。現時点での配信数は約4,100で、いまなお増加中です。他の方にもぜひ紹介してください。皆さんに感謝しています。



5. おすすめ書籍 by Cindy Franklin

"Waking the Tiger. Healing Trauma: The Innate Capacity to Transform Overwhelming Experiences" by Peter A. Levine
Peter Levine's starting point is to ask why animals in the wild, though often threatened, are rarely traumatized. He illustrates how all mammals, including human beings, have the instinctual capacity to heal trauma. He then goes on to show how we as humans have lost this connection to our healing power. We so often lose our instinctual ability to listen to and follow our animal nature, our bodies' inherent wisdom.
This book offers illuminating validation of paths such as Seishindo that allow us to cultivate our body-mind intelligence and thus activate our own innate self-healing power.



6. おすすめ音楽

CD: "True Friend" Linda Worster
I mentioned this CD in passing before, but I just got to finally hear it this week. For those of you who have already fallen in love with the special Seishindo compilation CD of Linda's music, will find this offering heartfelt and haunting.
A lovely CD and you support the work of a wonderful human being and long time friend, when you buy one. For more info, contact Linda at:lworster@taconic.net <mailto:jlworster@taconic.net>



7. エンド・ノート

Chitraさんのコメント:

 ニュースレターに登録し始めてから3本目を受け取っていますが、自分の考え方がずいぶん変ってきているのを感じます。動物に関することも面白く読んでいます。そして、最近わが家で起こったことを書かずにはいられなくなりました。

 わたしはビンゴという名のハスキー犬を飼っていたのですが、病気になってしまい、先週の火曜日ついに息をひきとりました。2月10日午前5時のことでした。

 わが家から8km離れた所に、ビンゴの妻(もしそう呼べるなら)であるサッパーがわたしの母親と住んでいました。犬たちはここ2、3年間は顔をあわせていませんでした。そのサッパーが翌朝の午前7時頃、亡くなっているのが見つかりました。実際に亡くなった時刻は、前日のビンゴとほとんど同時刻だったに違いありません。

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 あなたからのメール歓迎します。
a) 記事に関する質問やコメント
b) プラクティスで経験したこと
c) 精心道コミュニティにふさわしい書籍/音楽/サービス/製品など。それについての短い紹介文をつけてください。お名前を載せてもよいか知らせてください。情報は大切に取り扱います。 seishindo@seishindo.org


8. マイル・ストーン

Dawn Martinさん(レイキ・プラクティショナー、氣功と光のヒーラー)からのお知らせ:改良を加えてウェブサイトを再スタートさせました。ぜひ一度ご覧ください。www.healerdawn.com

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 あなた自身(またはグループ)のマイル・ストーン [画期的な出来事] を教えてください。 卒業、結婚、出産、訃報、新規ビジネス等、精心道コミュニティにふさわしいニュースを歓迎します。seishindo@seishindo.org


9. 著作権・登録と解除

 発行者の許可なく転載、複製はできません。一部を除き、当ニュースレター「ピュア・ハート、シンプル・マインド」のすべての内容は、チャーリー・バーデンホップが執筆、編集しています。
Charlie Badenhop © All rights reserved.

 ニュースレター(英文)の登録と解除は、下記のURLで受付けています。原則的に月2回の発行です。
http://www.seishindo.org/newsletter.html

 ワークショップ「東京クラス」のスケジュールは、下記のページでご確認ください。www.seishindo.org/japanese/tokyo.html

日本語訳:下尾崎 勉プロフィール

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